書物の最も古典的な形態は巻物ですが、巻末を見るのに不便なことから考え出されたのが和本の始まりともいえる折本です。和本を簡単に説明すると、和紙を二枚に折って幾枚か重ね、糸か糊で綴じたものといえます。
現在の情報社会の中では洋紙を使った洋本が圧倒的に多く、和本は数少ないのですが、書の作品集や和歌の本など特別な本として和本を希望される方がいます。
和紙の温かみや日本文化の香りをもつ風雅な和本は、後世に残すべき文化遺産です。
手間を惜しまず手仕事で作られる和本ですが、その違いをわかる人たちがいる限り和本の命はつきることはないだろうと確信しております。 |