修復・保存・装幀・複製 伝統的な技法を生かす 株式会社大入
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縮緬本
着物の縮緬(ちりめん)のように細かい皺の入った和紙に多色木版画が印刷された美しい和装本です。
この縮緬本は日本の伝説や童話を扱った絵本として出版され、珍しい日本土産として外国人に大変好まれましたが、明治十年代から三十年代にかけて主要な出版が行われた以外は殆ど刊行の例がありません。製作方法もこれを製作していた長谷川武次郎という版元の工房の外へは伝わらず、一部の古書コレクターの間では長らく幻の明治絵本といわれてきました。
なぜ普通に印刷した紙を縮緬状にしたのか、出版意図・製造方法等なにも資料が無い中、研究と試行錯誤の結果、およその工程を復元するに至りました。
揉み台
揉み台 揉み台イラスト
大きさ約2m、木製
型紙
型紙1 型紙2
拡大図
揉み方
揉み方1 揉み方2
参考文献:「JAPAN NACH Reisen und Studien im Auftrag Der Koniglich preussischen regierung Dargestellt」 J.J.Rein著
工程
工程1_1 工程1_2
1. 蕨渋(蕨糊と柿渋の混合糊)と楮紙で作った型紙と、縮緬化する和紙を交互に重ねていく。
工程2_1 工程2_2
2. 型紙に巻き皺ができぬように、芯材に巻き込んでいく。
工程3_1
3. 巻かれた型紙を裂で巻いていく。
工程5_1 工程5_2
4. ロール状の型紙を揉み台に装填する。
工程6_1 工程6_2
5. 体重をかけて型紙を圧縮し、和紙(印刷された本紙)に型紙の型(ww)をつける。
6. 裂、型紙から縮緬化された紙をはずす。

型紙に置く和紙の向きを変えながら(上記「揉み方」参照)、工程1〜6を7回繰り返す。
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